プラシーボ効果は臨床的に「意味がある」のでしょうか?
ウソでもいいので、患者さんに「効果のあるお薬ですよ!」と
思い込ませて、服用してもらえば、治療成果は良くなるのでしょうか?
答えは NO です。
2010年に報告された Hróbjartsson A らのコクランレビュー
結論の部分に
“We did not find that placebo interventions
have important clinical effects in general.
(プラシーボ介入が臨床結果に重要な影響を与えることは確認されなかった)”
と記されています。
この検証は200以上の論文が吟味された結果であり、意義のある結論だと思います。
なので、イタズラに患者さんに嘘をついてでも信じ込ませて、
プラシーボ効果で患者さんの病気を治そうなんてナンセンスです。
前回のブログ記事でも書きましたが、プラシーボ効果を治療に取り入れようとしたら
患者さんに嘘をつかなくてはなりません。
医師が「偽薬」だと知りながら、患者には「効果のあるお薬ですよ」といって
渡す必要があるからです。
これには倫理上、大きな問題があります。
ノーシーボ効果についても忘れてはいけません。Rief W らの研究 (2) によると、
脂質異常症に使用されるお薬 (statins) の研究で、
被験者が100人以上の規模のものをみると、
コントロール群として偽薬を使用した者の 4% から 26% が、
副作用を理由に(ノーシボ効果)研究からドロップアウトしていると報告されました。
偽薬を使用したとしても、最大で4人のうち1人は決して無視できない程度の
副作用を経験するということです。
無闇にプラシーボ効果に頼るのではなく、
患者さんの症状を改善するために、臨床医に求められるスキルは何なのでしょうか。
次のブログ記事でから、この内容を展開していこうと思います。
今年の10月から、しばらくお休みをしていたブログ記事の更新頻度を
少し改善することができました。
この記事が2024年最後の記事となります。
2025年も同様の頻度で記事を更新していくことを目標にします。
舌痛症、非定型歯痛、非歯原性疼痛
神経障害性疼痛、三叉神経痛、顎関節症、
原因不明の痛みや違和感でお困りの方は
当院までご相談ください。
2025年、口腔顔面痛の出張専門外来スケジュールは下記の通りです。
2月27日 大阪(梅田)中西矯正歯科 梅田オフィス
3月4日 福岡(天神)つきやま歯科医院
4月22日 名古屋(烏森)かすもり・おしむら歯科
福岡と名古屋の予約・お問い合わせは上記クリニックまで。
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あんどう歯科口腔外科:www.ando-pain.jp
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